こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『分身』です。
当作品では、自分と瓜二つと人間がこの世に存在する謎を解き明かしていくという物語が描かれております。
結論から言うと、めちゃくちゃ社会派の内容です。
詳細はネタバレになるので割愛しますが、医療や人権問題といったセンシティブな内容が深く掘り下げられており、読み応えたっぷりの内容になっています。
もちろん、重厚なストーリーも織り交ぜられていますので、読み物として楽しめる側面もあります。
やはり東野圭吾さんは、社会的な内容をストーリー仕立てで展開するのが上手いですね。
また、本作品はドラマ化もされています。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『分身』の詳細
作品名 | 分身 |
---|---|
著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 1996年9月 |
ページ数 | 457(文庫) |
あらすじ
双葉はバンドマンとしてテレビ出演する事を母に伝えたが、なぜか強く反対される。
結局、双葉は出演を強行するが、その後に過酷な現実が訪れてしまう。
医療や人権問題の倫理について深く掘り下げた、圧巻の社会派ミステリー。
主な登場人物
氏家鞠子(うじいえまりこ)
母が常によそよそしい態度をとることに、不信感を募らせていた。
氏家清(うじいえきよし)
鞠子からの質問にたびたび嘘をつく様子がある。
小林双葉(こばやしふたば)
高校からバンドを始めプロを目指すが、母親の志保からは猛反対されている。
下条(しもじょう)
帝都大の女学生。
双葉の協力者。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
社会派の内容が好きならハマる
医療や人権問題といった社会派の内容が軸となっておりますので、そういった話を考えるのが好きな方ならハマるでしょうね。
ただ、内容が小難しいので、しっかり理解しながら読むのは大変ですよ。
正直に言えば、僕自身、全てをちゃんとは理解できていませんから。
好きな言い回しあり
126ページに、僕の心に残る言い回しがありました。
「今のあたしはさあ、はっきりいってフラフラなんだよね。疲れ果ててるし、先行きのことは不安だし、立ってるのがやっとという状態なわけ。そんな人間に椅子を売りつけるのは、商売ならともかく、この場合はアンフェアだよ」:出典『分身』126p
これは、辛い状況の中で告白された時の返しです。
こういう巧みな比喩表現を見ると、なんだか感心しちゃうんですよね。
人としての引き出しが多いのって、魅力的に感じます。
葛藤を巧みに描く描写あり
ある女の子が自分の存在について葛藤するシーンが度々あるのですが、その描写に凄みを感じますね。
なぜかというと、検討する角度が相当に多角的だからです。
事象をあらゆる角度から見つめた上での葛藤なので、深みがあるんですよ。
こういう深い描写、小説ならではですね。
まとめ
今回は、『分身』のあらすじ・感想について書いてみました。
少し難しいので、気合いを入れて読んでみてください。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。