こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『ガリレオの苦悩』です。
当作品では、ガリレオと呼ばれる天才物理学者が事件の謎を次々と解いていくという物語が描かれております。
結論から言うと、見応えのある作品が多くて面白かったです。
本作品は5つの章が収録されている短編集なのですが、いずれも人の内面に深く迫った内容となっております。
また、トリックの内容も手の込んだものが多く面白いですよ。
なお、本作品はガリレオシリーズの4作目です。1作目の『探偵ガリレオ』から順に読むと、より楽しめます。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『ガリレオの苦悩』の詳細
作品名 | ガリレオの苦悩 |
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著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2008年10月24日 |
ページ数 | 376(文庫) |
あらすじ
女がベランダから突き落とされたが、部屋の中には誰もいなかった。
自殺と思われる状況だが、ガリレオはそうだと断定することはない。
「どんなにわかりきったことでも、まずやってみる。実際の現象からしか新発見は生まれない」
揺るぎない信念を持った天才物理学者が、常識を超越する謎に挑む。
主な登場人物
湯川学(ゆかわまなぶ)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室の助教授。
豊富な知見を蓄えており、しばしば草薙の捜査を助ける。
子供が苦手。
草薙俊平(くさなぎしゅんぺい)
警視庁捜査一課。
難航する捜査の解明を、しばしば湯川に依頼している。
湯川とは大学の同期。
内海薫(うつみかおる)
若手の女性刑事で草薙の後輩。
草薙班に所属する。
気の強い性格であり、湯川の淡々とした受け応えに怯まない。
女性ならではの洞察力に優れており、度々それが真相に近づく助けとなる。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
第一章 落下る
女がベランダから突き落とされたが、部屋の中には誰もいなかったという奇妙な事件が描かれています。
実はこの話、ドラマ版ガリレオのエピソードゼロの題材になっています。
また、ここで初めて、柴咲コウ演じる『内海薫』も出てきます。
ドラマを観た方が読むと、いろいろと感じることがあるかもしれません。
今回の話では、湯川のあるセリフがカッコいいのでご紹介します。
理系の学生でも、頭の中で理屈をこね回すばかりで、行動の伴わない連中が多い。
そんな奴らはまず大成しない。どんなにわかりきったことでも、まずやってみる。
実際の現象からしか新発見は生まれない。
出典:ガリレオの苦悩p49〜50
天才と言われている人間が言うと、とても説得力がありますね。
事件の真相は対して深くありませんが、湯川の良き一面が見られるので、この話は好きです。
第二章 操作る
離れ屋に住んでいる男が刺殺された上に、その離れ家が放火されたという事件が描かれております。
実はこれも第一章と同様に、ドラマ版のエピソードゼロの題材になっています。
つまりエピソードゼロでは、第一章と第二章の話を組み合わせて作成されているわけですね。
この話は、人の内面に深く迫っており、個人的にはかなり好きですね。
また、トリックの内容も巧妙でして、相当に完成度が高いと言っていいでしょう。
第三章 密室る
旅館の一人客がいつの間にか窓から転落死した事件が描かれております。
普通に考えたら自殺っぽいんですけど、不可解な点があることから調査を進めていきます。
この事件のトリックはですね、まず解けないと思います(笑)。
扱われているトリックが突飛なので。
ただ、それを淡々と解いていく湯川の天才さには感嘆しましたね。
人の内面に迫る様子もあってとても読み応えがあり、最後まで没頭できました。
第四章 指標す
水晶の力によってある証拠を見つけた女の子の話が描かれております。
この話のテーマは、ダウジングですね。
ダウジングはあらゆる分野で用いられている実用的な行動なのですが、実は科学的根拠はかなり乏しいみたいです。
で、女の子の力の真相ですが、これはある程度読めてしまいましたね。
あと、ストーリーの本筋とは関係ありませんが、この話の中で『容疑者xの献身』を想起させる描写が出てきます。

このように、他作との繋がりを感じられるのも、シリーズものの醍醐味ですね。
第五章 攪乱す
「悪魔の手」を使って事件を起こすという怪文書が警察に送られてくるストーリーが描かれております。
警察を馬鹿にする犯人の様子がいかにも悪魔という感じで、見応えがありましたね。
また、事件に使われるトリックも手が混んでおり勉強になります。
ガリレオは読めば読むほど、理系の知識に触れられるので良いですね。
まとめ
今回は、『ガリレオの苦悩』のあらすじ・感想について書いてみました。
いずれの章も読み応えがあり没頭できますので、ぜひ読んでみてください。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。