こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『白鳥とコウモリ』です。
当作品では、ある男が「弁護士を殺した」と自供するが、自供内容に不自然な点が多く見られるという物語が描かれております。
自分は世の中を何もわかっていないと思わされるストーリーでした。
どういうことかと言いますと、真実を細かに伝えている人やメディアなど稀で、ほとんどは建前や嘘なんじゃないかと思わされるようなストーリーだったということです。
本書では、ある男が「弁護士を殺した」と自供した事件が描かれています。
割と序盤の方で犯人の自供が始まるので、読み手としては「え?これ以降何が語られるの?」と戸惑います。
ただ、詳しく調べていくと、その自供内容には怪しい点があるわけです。
そこで、犯人の息子や被害者の娘が事件について独自に調べていくと、驚愕の事実に辿り着くわけですね。
これだけ壮大なストーリーを描けるなんて、改めて東野圭吾さんの凄さを思い知らされました。
今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『白鳥とコウモリ』の詳細
作品名 | 白鳥とコウモリ |
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著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2021/4/7 |
ページ数 | 522 |
あらすじ
父親が、殺人の容疑で捕まった。
弁護士を殺したと自供する父親であったが、どこか腑に落ちない点があるという違和感を覚える息子・和真。
ただし警察は、父親が犯人と決めて疑わない。
仕方なく独自に調査を進めていくと、真相は意外な過去と結びつく。
嘘、逃げ、怒りといった負の側面を壮大に描いた傑作ミステリー。
主な登場人物
五代努(ごだいつとむ)
38歳。
刑事。
中町(なかまち)
28歳。
若手刑事。
山田裕太(やまだゆうた)
町工場で働く若者。
白石健介(しらいしけんすけ)
55歳の弁護士。
何者かによって刺殺された。
死体は港区海岸の路上にある紺色のセダンの中に放置されていた。
どんな依頼人に対しても誠実な態度を取ることで知られている。
白石美令(しらいしみれい)
健介の娘。
メディニクス・ジャパンという会員制の総合医療機関で働いている。
白石綾子(しらいしあやこ)
健介の妻。
倉木達郎(くらきたつろう)
66歳。
生前の白石に電話で無料相談をした男。
倉木和真(くらきかずま)
達郎の息子。
浅羽洋子(あさばようこ)
70歳近いばあさん。
『あすなろ』という小料理屋の経営者。
夫が殺人事件の容疑者として逮捕され、そのまま首を吊ってしまったために、警察が嫌い。
浅羽織恵(あさばおりえ)
40歳前後。
洋子の娘。
『あすなろ』で働いている。
灰谷昭造(はいたにしょうぞう)
1984年5月15日に、名古屋鉄道東岡崎駅の近くにある雑居ビルの一室で刺殺されているのを発見された。
その一室で灰谷は金融業を営んでいた。
灰谷が殺された事件は『東岡崎駅前金融業者殺人事件』と呼ばれている。
福間淳二(ふくまじゅんじ)
灰谷を殺したことを疑われ逮捕されたが、逮捕理由は別件であった。
逮捕の4日後、留置所で自殺した。
洋子の夫。
桜川(さくらかわ)
強行犯係長。
片瀬(かたせ)
愛知県警の地域課所属の巡査長。
村松重則(まつむらしげのり)
『東岡崎駅前金融業者殺人事件』の発生当時、所轄の刑事一系に所属していた。
現在は72歳で、仕事は引退している。
坂野雅彦(さかのまさひこ)
灰谷の妹の息子。
灰谷が営む金融業者で電話番をしていた。
灰谷の死体の第一発見者かつ通報者。
雨宮雅也(あめみやまさや)
和真の同期。
堀部孝弘(ほりべたかひろ)
弁護士。
達郎の弁護をする国選弁護士。
藤岡(ふじおか)
永代通りに面した自転車屋の店主。
南原(なんばら)
和真の家を訪れた記事。
言葉巧みに情報を引き出すことが得意。
望月(もちづき)
健介の後輩。
弁護士。
佐久間梓(さくまあずさ)
30代半ばの女性。
弁護士。
白石家が被害者参加制度を行使することをサポートする予定。
今橋(いまはし)
今回の事件の公判担当の検察官。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
人の弱さを描写するシーンが好き
『白鳥とコウモリ』の見所は、人間の弱さだと僕は思っています。
人って理想を胸に抱きながら日々を生きていますけど、つい逃げてしまったり、つい嘘をついてしまったりと、弱い部分に負けてしまいますよね。
そんな弱さを抱えながらも必死に生きている様が、僕は好きなんです。
そういう感じが本作品では存分に表現されていましたので、読めて良かったと思います。
繊細な気持ちを持っている方なら、きっと好きになれる内容ですよ。
どんでん返しが好きならハマるかも
とてつもないどんでん返しがあるわけではありませんが、なかなかのどんでん返しがあります。
たった1行で全てがひっくり返るという感じではなくて、じわじわとひっくり返る感じが繊細かつ上品でした。
また、じわじわひっくり返っていくので、没入感がかなりありましたね。
これだけの長編で最後まで人を惹きつける東野圭吾さん、凄いです。
登場人物はメモした方がいいかも
『白鳥とコウモリ』では、とにかくいろんな人物が出てきます。
しかも、今の時間軸だけではなく、30年以上前に遡って話が展開されていくので、ちゃんと理解しながら読むのが結構大変です。
したがって、登場人物についてはしっかりメモしながら読むことをおすすめします。
まとめ
今回は、『白鳥とコウモリ』のあらすじ・感想について書いてみました。
文量が多く読み切るのに苦労しますが、それゆえに読み応えもありますので、ぜひチャレンジしてみてください
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。