あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『放課後』は、深みが感じられる傑作でした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『放課後』です。

当作品では、誰かに命を狙われている気がすると考える前島が、校内で発生する殺人事件の真相に迫っていくという物語が描かれております。

いやあ、深い作品でした。

『放課後』は東野圭吾さんのデビュー作であり、かつ本人もそこまでの自信がある作品ではなかったようです。

にも関わらず、かなりの深みがあり、最後まで没入感を持って読み進めることができました。

舞台は女子高でして、校内で連続殺人が起こるというストーリーが展開されます。殺人のトリックそのものも複雑で見応えがあるのですが、それ以上に「人の内面」を繊細に描いている部分が素晴らしいです。

他の作品にも通じるのですが、東野圭吾さんは細やかな人の感情を表現するのにホント長けていますね。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『放課後』の詳細

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作品名放課後
著者東野圭吾
発売日1985年9月
ページ数346(文庫)

あらすじ

誰かに狙われている気がする。

度重なる不運に見舞われた前島であったが、アーチェリー部の顧問として奮闘していた。

そんな中、ある男性教師が毒殺される。

次は自分なのか?それとも全く関係のない事件なのか?

真相の裏には小さくも過酷な情念が渦巻いていた。

主な登場人物

前島

主人公。

清華女子校の教師。

メーカーで働いていたが僻地に飛ばされそうになったので、急遽地元の私立高校の教師になった。

教師になって以降、なぜか誰かに殺意を抱かれている。

決まった形の授業しかしないので、マシンと呼ばれている。  

高原陽子

喫煙が見つかり停学になっていた生徒。

急に前島を信州への旅行に誘うことから、理解が難しいキャラという印象。

村橋

清華女子校の教師。

生徒を害虫呼ばわりする下品な人間。

長谷

清華女子校の教師。

前島より少し上の教師。

だが、若白髪の上に太っておりだいぶ老けて見える。

杉田恵子

三年B組。

洋弓部キャプテン。

大人っぽい生徒。前島にはフランクに話しかけてくる。

栗原貴和

栗原校長の息子。

28歳。

一流国立大を出て、地元の企業でエリートコースに乗っている。

ひ弱で消極的な見た目。

麻生恭子

清華女子校の教師。

26歳。

高和の見合い相手にしたいと校長が考えている女性。

美人。

北条雅美

三年A組。

入学以来主席を続けている。

目標は東大。

剣道部の主将であり、実力は折り紙つき。

曲がったことが大嫌いで、何かと先生に楯突くことからも正義に支配されてる印象。

前島裕美子

主人公の妻。

ある日を境に前島との関係が悪化する。

感想

では、淡々と感想を述べていきます。

真相に深みがあって面白い

『放課後』の見所はなんといっても、真相の深みにあります。

ネタバレになりますから詳細は言えませんが、まさかの動機に驚かされました。

人の動機について深く考えてみるキッカケにもなったのですが、僕に考えさせるという行動を取らせた東野圭吾さんが改めて凄いと思います。

どんな物事も大抵は分かったらサラッと流しがちじゃないですか。しかし、今回の真相に関しては一度立ち止まって考えてみたくなりました。

こんな深いストーリーをデビュー作で書き切ってしまうとは…。凄いです。

初心者にも安心の設定

個人的に嬉しかったのは、複雑すぎない設定です。

小説を読んでいると、設定が込み入ってきてよく分からなくなる時がありますよね。

ただ、当作品は舞台が女子校と限られた場所になっていますのでスラスラ読み進められます。

石神を感じるシーンがありました

物語の本筋とは全く関係ないのですが、『容疑者xの献身』の登場人物である「石神」を想起させるシーンがありました。

橋という数学教師がやる気のない生徒に対して授業することを嘆くシーンがあるのですが、なんだか石神を思い出しましたね。

「だから何?」って感じかもしれませんが、こういった感じで他作品との繋がりを感じるのが僕は好きなんです。

この感覚、分かってくれる人はいると思っています。

まとめ

今回は、『放課後』のあらすじ・感想について書いてみました。

おすすめと言える作品でしたので、読むかどうか迷っている方は読んでみてください。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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