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こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『架空犯』です。
当作品では、火災の焼け跡から夫婦の遺体が発見されたが、不可解な点が多く捜査が難航するという物語が描かれております。
まず読み終わって思ったのが、「よくこれだけ壮大なストーリーをまとめられるものだ」ということですね。
登場人物は多種多様で、かつ物語の軸は何十年も前に遡りますから、かなり複雑な内容となっていますが、最終的にはキレイな結末に終着します。
いやあ、東野圭吾さんはホント凄いです。
また、全てを解き明かすのではなく、ちょっぴり謎を残して終わるのも素敵です(詳細はネタバレになるので伏せます)。
ミステリー小説として非常に完成度の高い作品と言えるでしょう。
また、当作品は『白鳥とコウモリ』の続編です。
より当作品を楽しみたい方は、ぜひ前作からお読みになってください。
今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『架空犯』の詳細
作品名 | 架空犯 |
---|---|
著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2024年11月1日 |
ページ数 | 457 |
あらすじ
焼け跡から、夫婦の遺体が発見された。
無理心中に見せる偽装工作が為されていたが、それはあまりにも稚拙なものだった。
なぜ犯人はすぐバレるような偽装工作を施したのか?
その疑問の答えには、深い愛と執念が潜んでいた。
『白鳥とコウモリ』にて難事件を解決した五代が、またしても難事件に挑む。
主な登場人物
五代努(ごだいつとむ)
刑事。
巡査部長。
筒井(つつい)
警部補。
桜川(さくらかわ)
五代の上司。
山尾陽介(やまおようすけ)
生活安全課の警部補。
今回の事件における、五代の相棒的な存在。
藤堂康幸(とうどうやすゆき)
65歳。
都議会議員。
10月15日に、自宅が火災に見舞われた。
焼け跡から焼死体で発見された。
死因は絞殺。
藤堂江利子(とうどうえりこ)
康幸の妻。
自宅の火災の焼け跡から遺体で発見された。
風呂場で首を吊って亡くなっていたが、すぐに偽装工作と判明。
芸名は双葉江利子。
榎並香織(えなみかおり)
康幸の娘。
榎並健人(えなみけんと)
香織の夫。
榎並グループの御曹司。
榎並総合病院の副院長。
望月宗太(もちづきそうた)
康幸の第一秘書。
本庄雅美(ほんじょうまさみ)
江利子とかつて同じ事務所に属していた女。
公私共に仲が良い。
広瀬(ひろせ)
鑑識課員。
垣内達夫(かきうちたつお)
康幸をヤスと呼ぶ仲。
小学校時代からの幼馴染。
バイタリティのある康幸のことを尊敬している。
今西美咲(いまにしみさき)
東都百貨店の外商員。
雅美と親しい。
平塚園長(ひらつかえんちょう)
児童養護施設『春の実学園』の園長。
相沢(あいざわ)
刑事課長。
深水照雄(ふかみずてるお)
幼くして両親を失った江利子を引き取った男。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
前作がハマった方なら必ずハマる
前作の『白鳥とコウモリ』では、真実と思われることが二転三転することで、良い意味で読者を振り回してくれます。
今回紹介している『架空犯』も前作に近い雰囲気を醸し出していますから、前作が好きなら今作も楽しく読めるはずです。
もちろん、似た雰囲気とはいえ、内容そのものは全く別物です。
人の想いは簡単に風化しない
事件の真相を追っていく過程で、五代は40年も前に起きた事柄を調べることになります。
普通に考えたら、そんな前のこと今の事件に関係なさそうですよね。
ただ、人の想いってそんな簡単に風化するもんじゃありません。
何十年経とうがずっと生き続け、今になって形になることもあります。
そんな人間の執念深さを、『架空犯』は改めて教えてくれたような気がします。
五代の影の薄さが逆に良い
前作に引き続き、主人公は五代という刑事です。
ただ、この五代なんですけど、とにかく特徴が無いんですよ。
例えばガリレオシリーズの湯川学は、理屈っぽくて子供が嫌いだけど、いざという時は感情的に動ける人間臭さがありますよね。
こんな感じで、シリーズものの主人公は何かと特徴を説明できるものですが、それが五代には全く無いんですよ。
ただ、これくらい主人公の影が薄いのも逆に新鮮でありかなと思います。
結果的に事件や他の登場人物のキャラが際立ちますからね。
まとめ
今回は、『架空犯』のあらすじ・感想について書いてみました。
王道のミステリーが好きな方はぜひ読んでみてください。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。