こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『マスカレード・ゲーム』です。
当作品では、ホテル・コルテシア東京で起きると想定された事件を未然に防ぐために潜入操作を行うという物語が描かれております。
結論から言うと、素晴らしい作品でした。
内部の争い、容疑者達の謎、扱うテーマの繊細さ。
どれをとっても見応えたっぷりでして、シリーズ最高傑作といっても過言ではありません。
今までと同様に「ホテルで事件が起こりそうなので未然に防ぐ」という大枠は変わりませんが、よりセンシティブな内容に踏み込んだ印象です。
今回紹介する『マスカレード・ゲーム』はシリーズの4作目ですので、過去作を読んでいない方はぜひ1作目の『マスカレード・ホテル』から読んでみてください。
いきなり4作目から読むと人間関係の機微が分からず、物語に没頭できませんからね。
今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『マスカレード・ゲーム』の詳細
作品名 | マスカレード・ゲーム |
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著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2022年4月20日 |
ページ数 | 376 |
あらすじ
三度、あのホテルで事件が起きようとしている。
大きな罪を背負う者が次々と亡くなる最中で、なぜかその死を願っていた被害者遺族達がホテル・コルテシア東京に集結した。
面識のないはずの彼らがなぜ1つのホテルに集うのか?
彼らの目的は一体何なのか?
大人気作のマスカレードシリーズ第四弾が開幕!
主な登場人物
山岸尚美(やまぎしなおみ)
ロサンゼルスにあるホテル・コルテシアでホテルマンをしている。
今回の捜査に協力するために、わざわざ帰国した。
お客様の要望には「無理」と言わないことを信条としている。
新田浩介(にったこうすけ)
警視庁の警部補。
これまでの事件と同様、コルテシア東京のフロントマンに扮する役割を与えられた。
入江悠斗(いりえゆうと)
生産機械の特殊仕様化や改造を請け負う会社で働いていた青年。
ある日、アパートの室内で刺殺されているのを同僚に発見された。
神谷文和(かみやふみかず)
大学二年生の時、入江悠斗に暴行され植物人間に。
その一年後に亡くなった。
神谷良美(かみやよしみ)
神谷文和の母親。
ホテルに客としてやってくる。
高坂義広(こうさかよしひろ)
40歳。
狛江市の児童公園で殺された。
入江と同じように胸部を刺されていた。
産業廃棄物工場で働いていた。
20年前に森本の母親を強盗殺人にて殺害。
森本雅司(もりもとまさし)
高坂に母親を殺された男。
ホテルに客としてやってくる。
前島隆明(まえじまたかあき)
娘がリベンジポルノの被害に遭っており、その娘は自殺している。
ホテルに客としてやってくる。
村山慎二(むらやましんじ)
前島の娘にリベンジポルノをはたらいた男。
何者かに殺された。
梓警部(あずさけいぶ)
捜査一課の強行犯捜査を担当する係長。
強引な操作を行うことから、新田から度々厳しい注意を受ける。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
警察内部での争いにも注目!
今回もホテルにて事件が繰り広げられるわけですが、それとは別に警察内部でのゴタゴタと見応えありましたね。
今回初登場の梓警部なんですが、かなり強引な操作をすることで周囲をピリつかせます。
ただ、梓警部にも信念がありますので、注意されても全く引きません。
こういった内部の揉め事も、捜査ものの醍醐味ですね。
扱われている題材がセンシティブ
『マスカレード・ゲーム』では、被害者遺族の苦しみがテーマになっています。
愛する家族を殺された遺族は基本的に犯人を心底恨みますから、全身全霊で罪を償ってほしいと思うものです。
ただ、加害者は思った以上に軽い罰で済まされる場合も多く、被害者遺族はずっと苦しみ続けながら生きるわけですね。
こういったセンシティブなテーマを扱っていることもあり、読んでいる最中は深く考えさせられました。
このように、読み手に思考時間を与えるというか、問題提起をしてくれるようなストーリーが僕は好きです。
ラストの締め方がめっちゃ好き
ネタバレになるので詳細は言えませんが、ラストがめっちゃ綺麗です。
凄くざっくりと言うと、希望を感じられる終わり方になっています。
以外な展開も交えられていますので、驚きと希望を同時に感じられました。
センシティブな内容を綺麗にオトす東野圭吾さん、流石です。
まとめ
今回は、『マスカレード・ゲーム』のあらすじ・感想について書いてみました。
マスカレードシリーズを読んできた方なら絶対に楽しめますので、ぜひ読んでみてください。
もしマスカレードシリーズを読んでいなければ、シリーズの始まりである『マスカレード・ホテル』から順に読むことをオススメします。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。