こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『ラプラスの魔女』です。
当作品では、未来を正確に予測できる不思議な力を持つ女の子が、硫化水素中毒事故の現場に度々現れて何かを探っているという物語が描かれております。
結論から言うと、かなり面白かったですよ。
未来がほぼ見えている円華という女の子のキャラがいるんですけど、いい感じに大人を振り回してくるんですよ。
もうちょっとで真相に迫れそうなところで言葉を濁してくるので、読み手としては続きがめちゃくちゃ気になります。
また、欲や好奇心に塗れた大人もたくさん出てくるのも見応えの一つですね。
他にも、かなり科学的な話も多く含まれていますので、さすが東野圭吾さんだと感心させられましたね。小説のタイトルにある「ラプラス」というのはフランスの数学者・物理学者なんですけど、そのラプラスが提唱した説を上手くミステリーとして仕上げています。
様々な点から面白みを感じられる作品でしたので、これはオススメと言えますね。
また、当作品は映画化されています。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『ラプラスの魔女』の詳細
作品名 | ラプラスの魔女 |
---|---|
著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2015年5月15日 |
ページ数 | 493p(文庫) |
あらすじ
大学教授の青江は、硫化水素中毒事故の発生現場で調査を行っていた。
すると、事故現場に謎の若い女が現れる。
後日、青江が似たような現場を調査していると、再び謎の若い女の姿が…。
なぜ彼女は硫化水素中毒事故の現場に現れるのか?
その疑問の背景には、狂った大人の事情が蔓延っていた。
科学と執念を見事に融合させた東野圭吾によるミステリー。
主な登場人物
羽原円華(うはらまどか)
大学の研究所で寝泊まりしている少女。
自分の元に戻ってくる紙飛行機を作ったり、雨が止むタイミングを正確に掴んだりと、謎の能力を持っている。
羽原美奈(うはらみな)
円華の母。
竜巻に巻き込まれ亡くなる。
弓子(ゆみこ)
円華の祖母。
羽原全太朗(うはらぜんたろう)
円華の父。
武尾徹(たけおとおる)
警察官として働いていたが、僻地に飛ばされたことから辞めた。
柔道三段。
桐宮玲(きりみやれい)
開明大学総務課所属。
美人。
武尾に円華のボディガードを依頼する。
前山洋子(まえやまようこ)
旅館で働く女性。
木村浩一(きむらこういち)
洋子の旅館の宿泊客。
見た目は二十そこそこ。
水城義郎(みずきよしろう)
映画に携わる仕事て財産を築いた。
洋子の旅館の宿泊客。
見た目は六十代。
温泉地にある山を登っている最中に突然倒れ、亡くなる。
水城千佐都(みずきちさと)
洋子の旅館の宿泊客。
見た目は三十歳くらい。
義郎の妻。
中岡祐二(なかおかゆうじ)
警視庁麻布北警察署所属の刑事。
青江修介(あおえしゅうすけ)
地球科学の専門家。
那須野五郎(なすのごろう)
俳優。
硫化水素の中毒で亡くなった。
甘粕才生(あまかすさいせい)
映画監督。
映画の鬼と言われていた。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
非常に良くできてる小説
ラプラスの魔女、簡単に言うと非常に良く出来ていると言えますね。
そう言える理由は以下のとおり。
- 科学的な要素が多くて引き込まれる
- 映えるキャラが多い
- 少しずつ全貌が明らかになる様子が心地よい
例えば、不思議な力を持つ円華には武尾というボディガードがつくんですけど、その武尾にもしっかりとしたキャラ設定があるので物語に深みが生まれます。
脇役を脇役で終わらせない感じが、なんか読んでて没入できるんですよね。
点と点が繋がりそうで繋がらないのが面白い
『ラプラスの魔女』で語られる話のメインとして、硫化水素中毒事故があります。
で、その事故をいろんな人が追う過程でいろいろ事実が浮かび上がってくるのですが、なんか上手くそれらの事実が繋がらないんですよ。
朧げな輪郭をずっと見させられている感じが、心地よいモヤモヤに繋がってですね、ひたすらページをめくってしまいます。
締めくくりがめっちゃ良い!
最後は円華ある一言で、この小説は幕を閉じるんですけど、その一言がめっちゃ良いです。
もちろんこれはネタバレになるので、詳細は言えないですけど、円華のキャラクターが凝縮された一言でして、「さすが東野圭吾さん!」と感心させられましたね。
つまり、最後の最後まで楽しめる要素がある小説ですから、傑作と言って良いでしょう。
まとめ
今回は、『ラプラスの魔女』のあらすじ・感想について書いてみました。
あらゆる要素から面白みを味わえる傑作でしたので、ぜひ読んでみてください。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。