こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『使命と魂のリミット』です。
当作品では、父の手術を失敗に終わらせた医者の元で奮闘する研修医の物語が描かれております。
かなり深いテーマが軸となっており、非常に読み応えがありました。
「医療ミス」「車の不具合による事故」といった、責任の所在が重くかつ曖昧なテーマが、当作品では描かれています。
例えば手術中に患者が死亡した場合、医師は全力を尽くしたと言うでしょう。
しかし遺族は、医療ミスではないかと疑うかもしれません。
こういった行き違いをどう解決するのかという視点からストーリーが構築されているのですが、ラストは読む手が止まりませんでしたね。
切なさを感じさせる描写もありますし、前向きになるような描写もありまして、かなりの没入感を味わえました。
また、当作品はドラマ化されています。
今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『使命と魂のリミット』の詳細
作品名 | 使命と魂のリミット |
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著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2006年12月5日 |
ページ数 | 52(文庫) |
あらすじ
なぜ私の父は救えなかったのか?
最高レベルの技術を持つ西園の元で、夕紀は日々医師としての力をつけていく。
しかし西園は、過去に父の手術を失敗に終わらせていた。
失敗の背景には何があるのか?
人の使命とは何なのか?
信念や憎しみが交差するミステリーが幕を開ける。
主な登場人物
西園陽平(にしぞのようへい)
帝都大学病院教授。
心臓血管外科医。
氷室健介の担当医だった。
氷室夕紀(ひむろゆうき)
研修医。
父が大動脈瘤の手術で亡くなったことをキッカケに医者を目指すようになった。
氷室 健介(ひむろ けんすけ)
氷室夕紀の父。
元警察官で警備会社の主任だったが、夕紀が中学生の時に胸部大動脈瘤の手術中に亡くなる。
元宮(もとみや)
執刀医。
真瀬望(ませのぞみ)
看護師。
直井穣治(なおいじょうじ)
望と交際している男。
島原総一郎(しまばらそういちろう)
自動車会社アリアの社長。
大動脈瘤の手術を受ける予定。
菅沼庸子(すがぬまようこ)
勤続10年のベテラン看護師。
七尾行成(ななおゆきなり)
刑事。
坂本(さかもと)
七尾の後輩。
笠木(かさき)
病院の事務局長。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
複数の深いテーマが軸となっている
冒頭でも述べましたが、「医療ミス」「車の不具合による事故」といった、責任の所在が重くかつ曖昧なテーマが、当作品では描かれています。
こういう深いテーマの小説、僕は好きなんですよね。
なぜなら、考察する時間を設けてくれるからです。
日々を一生懸命に生きていると、何かを深く考える時間ってなかなか作れませんよね。
なので、こういう深いテーマが描かれていると、この作品に会えて良かったと思えます。
割り切って考えるのは難しい
ネタバレになるので詳細は控えますが、何事も割り切って考えるのは難しいと、改めて思わされました。
いくら合理的に考えても、いくら深い目的があっても、感情という曖昧なものにコントロールされてしまうのですね。
こういう人の曖昧さに触れると、僕はなんだか温かい気持ちになります。
まとめ
今回は、『使命と魂のリミット』のあらすじ・感想について書いてみました。
いろんな考察、いろんな感情を与えてくれる傑作でしたのでぜひ読んでみてください。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。