あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『沈黙のパレード 』は、社会派の重たい内容で見応えたっぷりでした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『沈黙のパレード』です。

当作品では、娘を殺したであろう男が捕まったが、証拠不十分で無罪となったので、私的に制裁を加えようとする物語が描かれております。

物語の中心人物は、佐織という女の子です。

佐織は未来の歌姫として期待を寄せられていたのですが、突然姿を消してしまいます。

そして3年後、全く縁のない地にて遺体となって発見されました。

その後犯人らしき人は捕まったのですが、証拠不十分で無罪となってしまいます。

なぜ佐織は突然姿を消したのか?

なぜ縁のない土地で発見されたのか?

なぜ犯人は逮捕に至らないのか?

といったいろんな謎がひしめき合っており、見応えがある内容となっております。

なお、本作品はガリレオシリーズの9作目です。1作目の『探偵ガリレオ』から順に読むと、より楽しめます。

【あらすじ・感想】東野圭吾の『探偵ガリレオ』は、多種多様な見所がある見所がある傑作でした【ほぼネタバレ無し】こんにちは、TKです。 今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『探偵ガリレオ』です。 当作品では、湯川という天才科学者が、自らの...

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『沈黙のパレード』の詳細

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作品名沈黙のパレード
著者東野圭吾
発売日2018年10月10日
ページ数484(文庫)

あらすじ

忽然と姿を消した歌姫の佐織は、縁もゆかりもない地で遺体となって発見された。

佐織を手にかけたと疑われる蓮沼寛一は、19年前にも少女を殺めた罪で起訴されていたか、証拠不十分で結果は無罪。

今回も罪を免れそうな蓮沼であったが、パレードにて事件は起こる。

卓越した洞察力で真相を暴く湯川をぜひご堪能あれ。

主な登場人物

湯川学(ゆかわまなぶ)

帝都大学理工学部物理学科第十三研究室の助教授。

豊富な知見を蓄えており、しばしば草薙の捜査を助ける。

子供が苦手。

草薙俊平(くさなぎしゅんぺい)

警視庁捜査一課。

難航する捜査の解明を、しばしば湯川に依頼している。

湯川とは大学の同期。

内海薫(うつみかおる)

若手の女性刑事で草薙の後輩。

草薙班に所属する。

気の強い性格であり、湯川の淡々とした受け応えに怯まない。

女性ならではの洞察力に優れており、度々それが真相に近づく助けとなる。

並木祐太郎(なみきゆうたろう)

『なみきや』という食堂を営んでいる男。

並木真智子(まちこ)

祐太郎の妻。

並木佐織(なみきさおり)

祐太郎の娘。

歌が上手い。

誰に対しても明るく親切で近所で人気者だったが、突然姿を消してしまった。

並木夏美(なみきなつみ)

祐太郎の二人目の娘。

新倉直紀(にいくらなおき)

佐織をスカウトした音楽プロデューサー。

新倉留美(にいくらるみ)

直紀の妻。

多々良(たたら)

かつては管理官であったが、今作から捜査一課長に次ぐ立場になった。

本橋優奈(もとはしゆうな)

23年前、当時12歳の時に行方不明になった女の子。

蓮沼寛一(はすぬまかんいち)

23年前、優奈を殺した犯人として疑われたが、証拠が不十分で無罪となった。

蓮沼芳恵(はすぬまよしえ)

寛一の母。

家の焼け跡から遺体で発見された。

高垣智也(たかがきともや)

佐織と付き合っていた男。

佐織の5歳上。

戸島修作(とじましゅうさく)

祐太郎の小学生の頃からの悪友。

家業である食品加工業を継いだ。

宮沢麻耶(みやざわまや)

宮沢書店の跡継ぎ娘。

キクノ・ストーリー・パレードの実行委員を務めている。

増村栄治(ますむらえいじ)

蓮沼が勤めていた廃品回収会社で勤めている男。

感想

では、淡々と感想を述べていきます。

本作の見どころは「自白と黙秘」にあります

今回も科学的なトリックが大いに使用されてはいるのですが、それよりも重要なのは「自白と黙秘」だと僕は感じました。

警察は自白を最大限の証拠として扱う風潮がある。

だから自白にはデメリットしかないし、逆に黙秘にはメリットしかないと考えることもできます。

この歪んだ現実が大きなテーマとして語られておりますので、かなり社会派の内容に仕上がっています。

こういったシリアスな内容と科学的なトリックを上手く組み合わせ1つのストーリーを書き切れる東野圭吾さん、本当に凄いです…。

映像化に寄せているシーンあり

ガリレオシリーズは映像化されていることでも有名ですが、実は映像化限定の演出もかなり多いです。

で、その映像化限定の演出をなぜか小説のに逆輸入している描写があって、思わず笑ってしまいました。

こういう遊び心もあるのが良いですよね。

具体的には、p136、p425(いずれも文庫)の2箇所に該当描写がありますので、ぜひチェックしてみてください。

人はただただ真実を知りたいのかも

詳細に書くとネタバレになるので抽象的に書きますが、真実を知りたいという欲求は何よりも大きいのかなと思える描写がラストの方で見られます。

こういう人の深い想いにも触れてラストを締めているところが、物語としての完成度を高める要因になっているのは間違いないですね。

いやあ、素晴らしいです。

まとめ

今回は、『沈黙のパレード』のあらすじ・感想について書いてみました。

完成度の高い1冊でしたので、ぜひ読んでみてください。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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