こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『透明な螺旋』です。
当作品では、崖下に落ちて亡くなった男の彼女が逃走したので、重要参考人として行方を追うという話が描かれております。
結論から言うと、泣けます。
今作のテーマは、家族愛です。
冒頭では、本当は一緒に暮らしたいのに、やむを得ずバラバラになってしまう親子の描写が出てきます。
そして、その描写から長い長い時が経ってから、ある人物同士が運命的な出会いを果たすストーリーが展開されます。
いやあ、家族愛ってなんでこんな感動するんでしょうね。
無償の愛って、遺伝子レベルで美しいと感じますよね。
ガリレオシリーズを全部読んできましたが、ここまで温かい涙を誘う話は初めてかなと思います。
なお、本作品はガリレオシリーズの10作目です。1作目の『探偵ガリレオ』から順に読むと、より楽しめます。
今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『透明な螺旋』の詳細
作品名 | 透明な螺旋 |
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著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2021年9月10日 |
ページ数 | 314(文庫) |
あらすじ
ささやかな幸せを掴もうとしていた女は、突如不運に見舞われる。
夫が急死していまい、身籠っていた子を育てる見通しが立たなくなる。
だが女は、子を産んだ。
しかし、生活力のない女は泣く泣く施設に子を置き去りにする。
子に残したのは、一つの人形だけ。
数十年の時を経て、女は運命的な出会いを果たす。
主な登場人物
湯川学(ゆかわまなぶ)
帝都大学理工学部物理学科の教授。
豊富な知見を蓄えており、しばしば草薙の捜査を助ける。
子供が苦手。
草薙俊平(くさなぎしゅんぺい)
警視庁捜査一課。
難航する捜査の解明を、しばしば湯川に依頼している。
湯川とは大学の同期。
内海薫(うつみかおる)
若手の女性刑事で草薙の後輩。
草薙班に所属する。
気の強い性格であり、湯川の淡々とした受け応えに怯まない。
女性ならではの洞察力に優れており、度々それが真相に近づく助けとなる。
矢野弘司(やのひろし)
ひったくりにあった女性を助け、結果的にその女性と交際をスタートさせた男。
ある日突然、脳出血により亡くなる。
島内園香(しまうちそのか)
「いるかハイツ」というアパートで暮らしている女。
島内千鶴子(しまうちちづこ)
園香の母。
ナエ
島内家を支えてくれる謎のおばあさん。
青山(あおやま)
園香が働く生花店の店長。
上辻亮太(うえつじりょうた)
映像関係の仕事をしている男。
園香が働く生花店にて、曲に合う花を用意してほしいと依頼してきた。
田村(たむら)
「いるかハイツ」の大家。
湯川晋一郎(ゆかわしんいちろう)
湯川の父。
息子と同じく、帝都大の出身。
根岸秀美(ねぎしひでみ)
銀座VOWM経営者兼ママ。
草薙との軽い知り合い。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
無償の愛の美しさ
今回のテーマは家族愛、つまり、無償の愛です。
やはりこういうテーマが、1番グッときますね。
『容疑者xの献身』でも無償の愛が描かれており、とても感動しましたからね。
また、湯川に関するまさかの事実もあって、それにも深く感動させられます。
DV描写がリアルすぎる
当作品では、凄惨なDVの描写が何回か出てきます。
その描写が結構リアリティーあるので、DVを受けた経験がある方は胸が苦しくなるかもです…。
良くも悪くも、東野圭吾さんの描写力はエグいですね。
節税対策の話が勉強になる
土地って、何かに活用することで固定資産税が安くなるようですね。
で、簡単に農地として活用するには、栗の木を植えるのか手っ取り早いようです。
たまに栗が全く収穫されずに放置されているような土地がありますが、これって固定資産税への対策だったんですね。
こういう勉強になる描写もありましたので、読んでていろんな楽しみを味わえました。
まとめ
今回は、『透明な螺旋』のあらすじ・感想について書いてみました。
間違いなく感動できるストーリーとなっていますので、ぜひ読んでみてください。
また、文庫版では短編が1つ追加されていますので、文庫での購入をお勧めします。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。