あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『虚ろな十字架』は、深く考えさせられる傑作でした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『虚ろな十字架』です。

当作品では、死刑制度の是非を問う深いテーマが描かれています。

簡単な感想から言うと、深く考えさせられる傑作でしたね。

どんな文章にも言えることですが、「読み手に考えさせる」という行動を取らせるのって凄く難しいんですよ。

考えるのって疲れますからね。

ただ、当作品は内容があまりにも社会派でかつ深かったので、度々あれこれ考えこんでしまいました。

いやあ、ここまで読み手に思考させる内容を書けるなんて、東野圭吾さんはほんと凄いです。

内容を簡単に説明すると、テーマは「殺人という罪の償い方」です。

殺人を犯した場合、どのような償い方が適切なのか。

決して模範解答の無い問いであるがゆえに、ついつい考えさせられました。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『虚ろな十字架』の詳細

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作品名虚ろな十字架
著者東野圭吾
発売日2014年5月25日
ページ数367(文庫)

あらすじ

道正の娘は、強盗によって殺された。

犯人は死刑になったものの、心が晴れ渡ることはない。

しかしそれでも、通過点として死刑は必要なのだ。

人が人を殺めた時、どのように罪を償わせるべきか?

遺族は何に希望を見出せばいいのか?

社会派のテーマとミステリーを融合させた東野圭吾による傑作。

主な登場人物

井口沙織(いぐちさおり)

早くに母を亡くしており、小学生の頃から家事をしていた。

井口洋介(いぐちようすけ)

沙織の父。

化学工業製品を扱う会社の技術者。

仁科史也(にしなふみや)

中学生の時は走り幅跳びの選手。

現在は小児科医。

中原道正(なかはらみちまさ)

ペットを火葬するサービスを提供する「エンジェルボード」に勤めている。

神田亮子(かんだりょうこ)

道正の部下。

浜岡小夜子(はまおかさよこ)

道正の元妻。

離婚から5年後、町村に刺殺される。

中原愛美(なかはらまなみ)

道正の娘。

小学二年生の時、蜷川に殺害された。

蜷川和夫(ひるかわかずお)

愛美を絞殺した犯人。

町村作造(まちむらさくぞう)

小夜子を殺害した犯人。

感想

では、淡々と感想を述べていきます。

遺族は基本的に救われない

『虚ろな十字架』を読んで思ったのは、遺族は基本的に救われないということです。

本書の中には印象に残るパンチラインがいくつもあるのですが、特にズシっときたのが「遺族にとって、犯人が死ぬのは当たり前」という文言です。

人を殺したからといって、必ずしも犯人は死刑になりません。

というか、死刑にならないケースの方が大多数です。

ただ、遺族からすれば、犯人が生きているというのはあり得ないんですよ。

そして、たとえ死刑になったとしてもですね、それは通過点に過ぎないわけです。

こういった深刻なテーマが本書では語られていますので、かなりの没入感が味わえました。

かなり辛い描写あり

物語の後半では、胸が苦しくなるような辛い描写があります。

感受性が豊かな方なら、気分が悪くなってしまうかもしれません。

ぜひ覚悟を持って本書にチャレンジしてください。

クズすぎる人間が出てきます

物語の中で、とんでもないクズ男が出てきます。

これもですね、感受性が豊かな方なら、かなりの怒りを感じるでしょうね。

言葉だけでここまて人を揺さぶれる東野圭吾さん、ホント凄いです。

まとめ

今回は、『虚ろな十字架』のあらすじ・感想について書いてみました。

かなりの没入感を味わえる傑作ですので、ぜひ読んでみてください。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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