こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』です。
当作品では、石神という湯川の友人が、ある親子が犯した殺人の隠蔽に手を貸すという物語が描かれております。
結論から言うと、東野圭吾さんの最高傑作です。
僕は今まであらゆる作品に目を通してきましたが、これほど愛情深く、これほど切なく、これほど意地らしい作品はありません。
何度味わっても色褪せない、本当に素晴らしい作品です。
隠蔽に手を貸す動機や隠蔽の過程を読んでいると、とても心が切なくなり、なんだか清らかな気持ちにすらなっていきます。
また、僕は映画から入ったのですが、映画も非常に完成度が高くおススメです。
なお、『容疑者Xの献身』はガリレオシリーズの3作目でして、1作目は『探偵ガリレオ』です。
今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『容疑者Xの献身』の詳細
作品名 | 容疑者Xの献身 |
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著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 2005年8月29日 |
ページ数 | 394(文庫) |
あらすじ
鬱屈とした日々を送る数学教師の石神は、隣人のトラブルに駆けつける。
すると部屋の中に、男の死体があった。
石神はある想いを源泉とし、隠蔽に全力を尽くすことを決意する。
そして。その隠蔽を解き明かそうとするのは、帝都大学時代の親友湯川であった。
親友の罪に気づいた湯川は、一体どんな決断をするのか。
東野圭吾作品の最高傑作、ぜひご堪能あれ。
主な登場人物
湯川学(ゆかわまなぶ)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室の助教授。
豊富な知見を蓄えており、しばしば草薙の捜査を助ける。
子供が苦手。
草薙俊平(くさなぎしゅんぺい)
警視庁捜査一課。
難航する捜査の解明を、しばしば湯川に依頼している。
湯川とは大学の同期。
石神哲哉(いしがみ てつや)
高校の数学教師。
帝都大学理工学部数学科卒業後、同大学大学院修士課程修了。
湯川の友人。四色問題という難問に没頭している。
本当は教師ではなく、数学の研究者になりたかった。
花岡靖子(はなおか やすこ)
石神の隣人。
離婚した元夫が家に押しかけてきた際に、衝動的に締め殺してしまう。
花岡美里(はなおか みさと)
靖子の娘。
絞殺の一役を担ってしまう。
富樫慎二(とがし しんじ)
靖子の元夫。
離婚後に金をせびりに行った際に、靖子に絞殺された。
工藤邦明(くどう くにあき)
靖子の元勤め先「まりあん」の常連客。
花岡親子の生活を心配してくれる紳士という印象。
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
これほど美しく切ない物語も珍しい
僕は美しく切ない物語が好きなのですが、これほど美しくて切なくなれる物語も珍しいです。
石神は靖子にある恩、そして好意を感じており、恩返しや好意のためとして殺人隠蔽に手を貸します。
石神は恩返しや純粋な好意のためにやっているので、見返りを一切求めません。
隠蔽にただただ全力を尽くすんですよ。
その過程が本当に美しくて、心を奪われてしまいます。
また、ラストが本当に切なくて、これ以上ない読後感を味わえます。
いやあ、これは本当に良い作品です…。
湯川と石神の関係性が良い
湯川と石神は、帝都大学時代の親友なんですね。
お互いがお互いを本当に信頼しており、その様子がとても微笑ましいです。
ただ、湯川は途中で石神が犯人だと気がついてしまいますし、石神も犯人だと気づかれていることに気がつきます。
それでも、親友であるというスタンスを崩さずにお互いを想い合う様子が、本当に美しいです。
まとめ
今回は、『容疑者Xの献身』のあらすじ・感想について書いてみました。
現状、間違いなく東野圭吾さんの最高傑作と言えますので、読んでいない方はぜひ読んでください。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。