こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『秘密』です。
当作品では、娘と妻が事故に合い娘だけが助かりましたが、その娘に妻の人格が乗り移っていたという物語が描かれております。
簡単な感想を言うと、めっちゃ切ないです。
ただ、希望も感じさせてくれるラストでしたので、僕は好きですね。
『秘密』の詳細
作品名 | 秘密 |
---|---|
著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 1998年9月 |
ページ数 | 415 |
あらすじと感想
お話は、ある家族のお母さん(直子)と娘(藻奈美)が2人でスキー旅行に遊びに行くところからスタートします。お父さん(平助)は遊びに行かず仕事をしていまして、家に帰ればテレビを観るといった過ごし方をしていました。そしてテレビを観ていると、ある旅行会社のバスが事故を起こしたというニュースが流れてきます。実はそのバス、妻と娘が利用しているものでした。
平助はすぐに病院に行って状況を確認したのですが、幸いなことに娘は大きな怪我もなく助かりました。ただ、母親は亡くなってしまいます。残された娘と力強く生きようと決心した時に、とんでもないことが起こります。なんと娘の藻奈美は、「私は直子だ」と主張するのです。生き残ったのは、間違いなく娘でした。ただ、生き残った魂は妻のものだったのです。
つまり、娘の体に妻の魂が移ったような状況です。
この状況、当然平助は混乱しますよね。見た目は娘なのに、魂は妻。どう接するのが正解か分からず、時に大きな衝突も起こしてしまいます。
ただ、そんな状況の中でも最適な生き方を考え抜き、お互いがお互いを想う愛のある選択に、僕は心惹かれました。最後はハッピーエンドとは言えませんが、「それが最善の選択だったのかもしれないな」と思わせてくれる、非常に切ない描写となっております。
切なく穏やかな物語が好きな人に、ぜひ読んでほしい作品です。