あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『白夜行』は、あまりにも暗く切ないストーリーでした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『白夜行』です。

当作品では、刺殺された男性の息子と、刺殺したかもしれない容疑者の娘が、暗く壮絶な人生を辿るという物語が描かれております。

簡単な感想から言うと、読み切るのにかなりの体力を使う本でした。

本書は800ページ超の長さとなっていますので、気軽に読める作品ではありません。

ちなみに僕は読み切るのに、5日ほど掛かりました。

毎日数時間程度掛けて読み続けまして、トータルで20時間は掛かったんじゃないかなと思います。

まあ、僕は本を読むのが早い方ではないという可能性もありますので、参考程度に見てください。

で、肝心の内容なんですけど、結構暗めで複雑です。

素直に言うと、人にオススメできる内容ではありませんね。

当作品では約19年に渡る物語が描かれていまして、過去に起きた事柄がもちろん未来に繋がってきますし、重要な事件が複数発生しますので、結構な集中力を要します。

また、登場人物もかなりの数登場しますから、把握しておくのに相当苦労します。

間違いなく、玄人向けの作品でした。

ただ、難しいがゆえにかなりの読み応えはあります。

ところどころに伏線が張られていまして、その伏線が回収された瞬間は「うわあー!」という感じで驚けますので、そこは良いポイントでした。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『白夜行』の詳細

作品名白夜行
著者東野圭吾
発売日1999年8
ページ数854

あらすじ

ある廃墟ビルで、50代の男性が刺殺された。

事件の真相を掴もうと笹垣は奮闘するが、奮闘むなしく事件は迷宮入りする。

被害者の息子「桐原亮司」と容疑者の娘「西本雪穂」は、事件後に暗く壮絶な人生を歩んでいく。

両者の周りであらゆる事件が頻発するが、いずれもどこか掴みどころがない。

白夜のような暗くも微かなる光を頼りに、彼らは自分の道を突き進む。

読み手の心身を試される、長編ミステリー。

主な登場人物

かなり登場人物が多いので、主要な人に絞って解説します。

桐原 亮司(きりはら りょうじ)

金を得るためなら手を汚すことに躊躇がない人物です。

切り絵が上手いですが、それを人に褒められるのは苦手にしています。

コンピューターへの理解が深く、キャッシュカードのシステムを逆手にとった犯罪に手を染めるなど、あらゆる手段を尽くして金を稼いでいます。

今回の主人公的存在ですが、謎が多くつかみどころがありません。

西本 雪穂(にしもと ゆきほ)

子供の頃から美人かつ上品であり、周りから一目置かれています。

最初は西本雪穂というフルネームですが、母親が亡くなったり結婚したりするので、コロコロ本名が変わります。

今回の主人公的存ではありますが、本性が見えないミステリアスな印象です。

桐原 洋介(きりはら ようすけ)

亮司の父。

五十二歳。

事件の被害者。

「きりはら」という質屋を営んでいます。

桐原 弥生子(きりはら やえこ)

洋介の妻。

子育てへの関心が低く、亮司のことを半分放置しているような印象です。

松浦 勇(まつうら いさむ)

質屋「きらはら」の店長を任されている男。

西本 文代(にしもと ふみよ)

質屋「きらはら」の顧客。

常連ということで、洋介から懇意にされています。

笹垣 潤三(ささがき じゅんぞう)

西布施警察署の刑事。

亮司の父親が亡くなった事件を追っています。

19年も同じ事件を追い続けるという、根気強い性格です。

川島 江利子(かわしま えりこ)

雪穂と同じ中学に通う同級生。

雪穂にずっと憧れており、同じクラスになった際に「友達になって!」と言ったことがキッカケで、2人は親しくなります。

感想

では、淡々と感想を述べていきます。

心身が元気な時に読んで!

まず言いたいのが、心身が元気な時に読んで!ということですね。

白夜行は話が結構暗めでして、所々に凄惨な描写もあります。

また、800ページ超の分厚さなので、読み切るのには根気が必要です。

気軽に読める作品ではありませんので、心身の元気が割と必要だと僕は思います。

おそらくの話にはなりますが、途中で読むのを投げ出した方も多いでしょうね。

それゆえに、読み切った達成感も大きいのでぜひチャレンジしてみてください。

伏線が回収された時の驚きがクセになる

白夜行はかなりのページ数がある作品なので、それゆえに散りばめられている伏線の数も膨大です。

その伏線が回収された時は驚くというか、背筋が凍るような感覚になりまして、これがクセになるんですよね。

ただ、伏線は分かりやすく書かれているものもあれば、めっちゃさり気なく書かれているものもあります。

僕自身、全ての伏線をちゃんと追い切れた自信は無いですね…。

ちょっとでも違和感のある描写があれば、メモっておくことをオススメします。

観察力が試される作品

白夜行を真に楽しめる人は、観察力が優れている人かなと思います。

白夜行では亮司と雪穂の行動が1番注視すべきポイントとなるのですが、その行動の裏にどんな魂胆が隠されているかを見抜く観察力があると、より物語に没頭できます。

ネタバレになるので詳細は伏せておきますが、とにかく、2人の取る行動の端々に目を凝らしてみてください。

亮司と雪穂の内面描写が無い

白夜行の特徴として挙げられるのは、主人公的存在である亮司と雪穂の内面描写が無いことです。

この2人についてはですね、第三者目線からの描写のみが記載されています。

したがって、表情の変化や動作を確認することはできるのですが、そこに込められた真意は分からないわけです。

この構成が、2人のミステリアスさを醸し出している大きな要因になっているなと思いました。

まとめ

今回は、『白夜行』のあらすじ・感想について書いてみました。

万人にオススメできる作品ではありませんが、ラストシーンが割と好きな描写でしたので、読んで良かったかなとは思います。

かなり玄人向けの作品ですので、読む際はそれなりの覚悟を持ってください!

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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