あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『ダイイング・アイ』は、ゾクッとするような没入感を堪能できる作品でした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『ダイイング・アイ』です。

当作品では、交通事故を起こした記憶をなくした男が、少しずつ記憶を取り戻す過程で、様々な災難に巻き込まれていくという物語が描かれております。

簡単な感想から言うと、なかなかの没入感がありましたね。

主人公の慎介が交通事故である女性を死なせてしまう描写から、本書はスタートします。

ただ、執行猶予がついたので、その後も普通にシャバで生きていたんですよ。

そしたらある日、死なせた女の夫にぶん殴られます。

一命は取り止めたものの、なんと事故に関する記憶だけが無くなっていたのです。

本人としては、事故を起こした記憶が無くなったのって気持ち悪いですよね。

だから記憶を取り戻そうと奮闘するのですが、その過程でハチャメチャなことが起きるわけです。

そして、少しずつ真相に迫っていく感じが没入感に繋がっており、その点が大きく評価できる内容でした。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『ダイイング・アイ』の詳細

作品名ダイイング・アイ
著者東野圭吾
発売日2007年11月25日
ページ数408(文庫)

あらすじ

不意に殴られた慎介は、女を轢き殺した事故の記憶をなくしてしまった。

ただ、記憶が完全に無くなったわけではなく、断片的に覚えている記憶もあった。

事故の記憶を取り戻そうとしていると、謎の女が慎介に接触してくる。

この女は一体誰なのか?

なぜ慎介は事故を起こしてしまったのか?

執念の恐ろしさを描いたミステリー。

主な登場人物

雨村 慎介(あめむら しんすけ)

主人公。

茗荷という名前のBARで働いている。

ある日、最後の客を見送ろうとした時に、何者かに頭を強く殴られて意識を失います。

美菜絵を轢き殺したのですが、殴られたことをキッカケに、轢き殺した記憶をほとんど忘れてしまいます。

岸中 美菜絵(きしなか みなえ)

ピアノのレッスンを生業にしている女性。

レッスンを終え帰宅している途中に車にはねられ、亡くなる。

岸中 玲二(きしなか れいじ)

美菜絵の夫。

マネキンを作る会社で働いている。

慎介をスパナで殴った後、自殺しました。

村上 成美(むらかみ なるみ)

慎介の恋人。

慎介と同棲しています。

小塚(こづか)

刑事。

中小企業のやり手課長のような雰囲気を醸し出しています。

小野 千都子(おの ちづこ)

茗荷のママ。

江島 光一(えじま こういち)

慎介が以前働いていた「シリウス」のオーナー。

感想

では、淡々と感想を述べていきます。

謎が多い点が良い!

『ダイイング・アイ』の良い点は、謎の多さにあるでしょうね。

全ては書きませんが、記憶が消えたことに加えて、謎の女が現れたり恋人が消えたりと、もういろんなことが起こります。

そして、それらの謎が最終的には全て繋がるところが、さすが東野圭吾さんだと感じました。

最高傑作と言えるほどではありませんが、なかなか楽しめる内容ではありました。

ラストのオチはあんまり納得いってない

ネタバレになるので詳細は書きませんが、ラストはなんかしっくりきませんでした・・・。

まあ、これは好みが別れるかなと思います。

個人的にはマイナスの部分でした。

すぐに現実にぶつかる感じがいい

物語の本筋とはズレますが、好きな描写がありましたので抜粋してご紹介します。

六畳に満たない1Kの部屋が、最初の城だった。そこから大きく羽ばたいていけるものと信じていた。何でもできる。チャレンジできると、まさに期待に胸を膨らませていた。

だがそんなふうに夢を抱いていたのは、ごくわずかな間だけだった。一年の終わり頃になると、彼は何の野望も持たなくなっていた。

出典:ダイイング・アイp91

これは、慎介の大学1年の頃の描写です。

こういうリアルで切ない描写を見つけると、なんだかやりきれない気持ちになりますが、同時に安心というか希望みたいなものを感じるんですよね。

こんな感じで、本筋からズレた部分に魅力を感じてみるのも、小説の1つの楽しみ方かなと思います。

まとめ

今回は、『ダイイング・アイ』のあらすじ・感想について書いてみました。

なかなかの没入感を味わえる作品でしたので、ぜひ読んでみてください。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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