あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『仮面山荘殺人事件』は、めちゃくちゃ完成度の高い傑作でした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『仮面山荘殺人事件』です。

当作品では、家族ぐるみの付き合いのある大人たちが山荘でゆっくりと過ごそうとしていたら、突発的な事件に巻き込まれていくという物語が描かれております。

簡単な感想から言うと、めちゃくちゃ完成度の高い傑作でした。

今日まで数多く東野圭吾さんの作品を読んできましたが、その中でもTOP5には間違いなく入るほど面白かったですね。

舞台設定・登場人物・展開のどれをとっても申し分ない内容で、強く感動させられました。

話の流れを簡単に説明すると、山荘である大人たちが過ごしていたら、いきなり銀行強盗をした男2人が侵入してくるんですよ。

男たちは犯行後にその山荘を隠れ蓑として使うつもりだったのですが、まさか人がいるとは思わなくて、運悪く鉢合わせてしまったわけです。

ただ、銀行強盗たちもそれで素直に引き下がることはできないので、山荘にいた大人たちを人質にとって、しばらく過ごそうとします。

そして、しばらく緊張感のある時間を過ごした後に、誰も想定できなかったとんでもない事が起きてしまうのです。

以上が、簡単な流れです。

本当に面白かったので、自信を持ってオススメできる作品ですね。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『仮面山荘殺人事件』の詳細

作品名仮面山荘殺人事件
著者東野圭吾
発売日1990年12月
ページ数286(文庫)

あらすじ

8人の大人たちが山荘で過ごしていると、突如、銀行強盗をしたと言う男2人が侵入してきた。

運悪く人質となってしまった彼らがだが、それ以上に最悪の事態が発生してしまう。

仮面が飾られた山荘にて繰り広げられる、大どんでん返しミステリー。

主な登場人物

樫間 高之(かしま たかゆき)

朋美の婚約相手。

語り手的な役割を果たしており、主人公と言ってもいいでしょう。

森崎 朋美(もりさき ともみ)

高之の婚約相手。

故人。

結婚式の打ち合わせのために車で教会へ行く途中に、崖から落ちて亡くなります。

高之の運転するトラックに追突したのが、皮肉にも出会いのきっかけです。

今回の山荘での集まりは、朋美を失った悲しみを癒やす目的も含まれています。

森崎 信彦(もりさき のぶひこ)

朋美の父。

今回の山荘での集まりを企画した人物です。

高之とは仕事面での付き合いもあります。

森崎 厚子(もりさき あつこ)

朋美の母。

朋美が亡くなった際は、ひたすらに泣いていました。

森崎 利明(もりさき としあき)

朋美の兄。

下条 玲子(しもじょう れいこ)

信彦の秘書。

宝塚の男役をやれそうな美顔。

篠 一正(しの かずまさ)

朋美の叔父。

厳密に言うと、朋美の父の母親の弟。

あまり心臓が良くない。

学習塾を経営していた。

今回の山荘での集まりには参加していません。

篠 雪絵(しの ゆきえ)

朋美の叔父である一正の娘。

温順な美人。

木戸 信夫(きど のぶお)

一正の主治医。

三十半ば。

夏なのにきっちりと背広を着こんでいる。

父親は病院を経営している。

雪絵に好意がある様子を度々見せます。

阿川 桂子(あがわ けいこ)

朋美の親友。

いかにも頭の切れそうな顔つきをしている。

小説家。

小説誌の新人賞を受賞している。

感想

では、淡々と感想を述べていきます。

とにかく、めっちゃ良かった作品です

まずお伝えしたいのが、めっちゃ良かったということです。

僕は日々いろんな小説を読んでいますが、割合で言えば、間違いなく心に残らない作品の方が多いです。

これは僕だけでなく、多くの方がそうだとは思います。

心の底から面白いと感動できる方が少ないですよね。

そんなふうに冷めている僕ですが、『仮面山荘殺人事件』は相当に良かったです!

何が良かったかについては、以降で詳しく説明します。

舞台設定が分かりやすい

当作品の優れた点として、舞台設定が分かりやすいことが上げられると思います。

今回の舞台は、山荘という閉じられた空間です。

登場する人物は明示されています。

また、その山荘に複雑な仕掛けが施されているわけでもないので、純粋に人間同士のやり取りに没入できました。

以上の設定のおかげか、かなりの没入感を味わえるんですよ。

没入感というのは小説を読む上で非常に重要な要素なので、これをちゃんと味わえたのは個人的に大きく評価しています。

展開が痺れる

当作品の魅力は、何といっても展開にあります。

山荘で過ごしていたら、いきなり銀行強盗をしたと言う男2人が入ってくるんですが、もうこれだけでかなり衝撃的な事が起きていますよね。

ただ、これはあくまでも舞台設定に過ぎません。

物語の後半では、銀行強盗が入ってきたことよりも衝撃的な事が起きまして、その展開がマジで痺れます。

ネタバレを避けるため詳細な記述はしませんが、とにかく惹き込まれますよ。

好きな言葉がありました

物語の本筋からは逸れますが、好きな言葉がありましたのでご紹介します。

彼女が懸命に訓練している姿を、高之は美しいと思った。

男女に拘らず、こういう表情をする人物に接したことがなかった。大抵の人間は、苦痛にまで耐えて何かを成し遂げようとはしない。辛い局面に立たされると、まず責任転嫁し、それからヤケになるか無気力になるだけだ。そして悲劇の主人公を気取るのだ。

朋美の力になってやりたい。彼女が唇を噛んで挑んでいるのを見るたび、高之は思うのだった。

出典:仮面山荘殺人事件p62

僕も懸命に努力する人が好きなので、思わずこの文章には目を奪われました。

こんな感じで、物語の本筋とはあまり関係がない描写に感動してみるというのも、小説の一つの楽しみかたかなと思います。

めっちゃ切ない

ラストシーンなんですけど、めっちゃ切ないです。

もちろん詳細は言えませんが、切ない系の話が好きな人ならきっと感動できます。

僕も切ない展開が凄く好きなので、この作品に巡り会えて良かったなと思います。

まとめ

今回は、『仮面山荘殺人事件』のあらすじ・感想について書いてみました。

自信を持ってオススメできる最高傑作でしたので、ぜひ読んでみてください。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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