あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『恋のゴンドラ』は、ちょっと没入感に欠ける内容でした【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『恋のゴンドラ』です。

当作品では、スキー場にて繰り広げられる愛憎劇が描かれております。

簡単な感想から言うと、東野圭吾さんにしてはポップだなと思いました。

ポップであるがゆえに笑える描写が多いのですが、東野圭吾さんらしい二転三転するような目まぐるしい展開とかは無いです。

また、人が死なないので、ちょっと僕としては物足りない内容でした。

ちょっと変な表現ですけど、東野圭吾さんの小説は人が死んでなんぼなんですよね(笑)。

まあ、普通に楽しめる作品ではありますが、ドロドロしたような雰囲気が好きな方には全くハマらない作品と言っていいでしょう。

映像化はされていない小説ですが、イメージムービーはあるようですね。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『恋のゴンドラ』の詳細

作品名恋のゴンドラ
著者東野圭吾
発売日2016年11月
ページ数330(文庫)

あらすじ

不倫相手の桃実とスキー場に遊びに来た広太。

ゴンドラに乗りしばらくすると、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

なんとそこには、本命の彼女の美雪がいた。

広太なんとかやり過ごそうとするが、桃実はそんな状況に当然気が付かない。

思い切って謝るべきか、それともやり過ごすべきか。

スキー場を舞台に、様々な愛憎劇が繰り広げられる。

主な登場人物

広太(こうた)

桃美と不倫してる。

美雪という本命の彼女がいる。

桃実(ももみ)

広太の不倫相手。

美雪(みゆき)

広太の同棲相手。

日田(ひだ)

ホテルで働く男。

あまり空気が読めないので、気まずい雰囲気を作りがちです。

水城(みずき)

ホテルで働く男。

日田の同僚。

話し上手で、モテるタイプです。

秋菜(あきな)

日田や水城と同じホテルで働く女。

麻穂(まほ)

日田や水城と同じホテルで働く女。

月村(つきむら)

日田や水城と同じホテルで働く男。

弥生(やよい)

桃実と同じ化粧品売場で働く女。

早瀬(はやせ)

広太の友人。

感想

『恋のゴンドラ』には、8つの短編が収録されています。

  1. ゴンドラ
  2. リフト
  3. プロポーズ大作戦
  4. ゲレコン
  5. スキー一家
  6. プロポーズ大作戦 リベンジ
  7. ニアミス
  8. ゴンドラ リプレイ

ただ、それぞれの世界は繋がっていますので、話の流れを覚えておくとより他の短編も楽しめる作りになっています。

では、短編ごとに淡々と感想を述べていきます。

ゴンドラ

不倫相手とゴンドラに乗り込んだら、本命の彼女と鉢合わせてしまったという物語が描かれています。

これはですね、なかなか笑えます。

彼女は暗に「お前が不倫していると気がついているぞ」というサインを発しているようにも見えるし、全く気がついていないようにも見えるという巧妙な描かれ方をしています。

こういう状況ですから、主人公も謝るかどうか悩むんですよね。

バレてるなら早く謝った方がいいですけど、バレていない可能性もあるので。

その主人公の悩み抜く姿が、なかなか面白い作品でした。

リフト

日田という男が、水城という同僚の不倫を止めさせる物語が描かれています。

詳細はネタバレになるので言えませんが、結構切ない気持ちになります・・・。

結構心にグサッときました。

プロポーズ大作戦

日田が同じ職場の橋本という女性に、スキー場でプロポーズする物語が描かれています。

詳細はネタバレになるので言えませんが、これも結構切ない気持ちになります・・・。

クスッと笑えますけど、それ以上に、あまりにも可哀想です。

ゲレコン

桃実が友人の山本弥生と共に、里沢温泉スキー場で行われるゲレコンに参加する物語が描かれています。

ゲレコンとは、ゲレンデで行われる合コンのことです。

その合コンには前の短編に出ていた水城という男が登場するのですが、話術がとにかく凄いです。

その話術を見て僕は「うわっ、こんな冗談よく言えるな・・・」と引いた気持ちになったのですが、こういうのをサラッと言える人がモテるんでしょうね・・・。

なお、この短編はそこまで面白くないです。

以降の短編に繋がる話くらいで見ればいいかなと思います。

スキー一家

スノーボードを嫌う父親の物語が描かれています。

その父親は、スキーヤーは礼儀正しくてスノーボーダーは不良という偏見をもっているんですよ。

読んだ感想を言うと、結構好きですね。

道徳的な要素があるので、読み終わった後はほっこりします。

プロポーズ大作戦 リベンジ

前の短編「プロポーズ大作戦」の続きみたいな感じです。

またもや日田のプロポーズの話なのですが、お相手が変わっています。

これは、東野圭吾さんらしさが出ていて良かったですね。

ニアミス

これはですね、広太がとにかく浮気する話です(笑)。

結構ひどいので、浮気にトラウマがある人は読んでいて嫌な気分になる作品でしょうね。

ゴンドラ リプレイ

最初の短編「ゴンドラ」と似た構成の短編です。

これは、ハッキリいって微妙でした。

オチも東野圭吾さんにしては面白くなかったですね。

まとめ

今回は、『恋のゴンドラ』のあらすじ・感想について書いてみました。

総評としては微妙と言える作品でしたが、感心できる話も収録されている小説でしたね。

まあ、東野圭吾さんを制覇したい方だけ読めばいいかと思います。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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