あらすじ・感想

【あらすじ・感想】東野圭吾の『浪花少年探偵団』は、ヤンチャなミステリーで面白かったです【ほぼネタバレ無し】

こんにちは、TKです。

今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『浪花少年探偵団』です。

当作品では、しのぶという先生が、学校の周りで起きる事件を解決していくという物語が描かれております。

簡単な感想から言うと、こういうのが好きな人は多いんだろうなと思いました。

当作品は1980年代年に発表されたものなので、良くも悪くも古い表現が多いです。

例えば、生意気な子どもを刑事が殴ろうとしたり、「男のくせに」というセリフを普通に吐くキャラがいたりと、現代の価値観からすると引っかかるものが多いです。

ただ、僕はこういうのが好きですね。

現代は良くも悪くも繊細すぎるので、こういう大雑把な表現を見ると、なんか人間味を感じます。

また、主人公のしのぶは気の強い女性でして、非常にキャラが立っています。

しのぶの周りのキャラは愛嬌があってですね、ずっとほっこりした気持ちで読み進められました。

東野圭吾さんらしい入り組んだ謎解き要素もありますので、見どころたっぷりの作品と言えます。

また、当作品は短編集的な構成になっていますので、連続ドラマっぽい感じで読み進められます。

というか、実際に連続ドラマ化されています。

ドラマもそのうち観てみたいですね。

今回の記事では、あらすじ・登場人物・感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。

『浪花少年探偵団』の詳細

作品名浪花少年探偵団
著者東野圭吾
発売日1988年12月
ページ数p297(文庫)

あらすじ

小学校教師の竹内しのぶ。25歳独身。

ある日、担当児童の父親が殺された。

家庭内暴力に悩んでいた児童と母親に嫌疑がかかるが、鉄壁のアリバイが成立。

しかし疑念を覚えたしのぶは独自に調査を開始する。

笑いあり、懐かしさあり、恋あり。

教え子たちを引き連れて探偵ごっこを繰り広げる痛快ミステリー。

主な登場人物

竹内 しのぶ(たけうち しのぶ)

主人公。

大阪大路小学校6年5組担任の教師。

大阪の下町で育ったので言葉遣いが汚ないです。

なぜか、刑事よりも推理能力が高いです。

生徒を守るために体を張るので、見ていて誇らしい気持ちになるキャラです。

進藤(しんどう)

大阪府警捜査一課。

しのぶのことが好きで、なんとかしのぶとの時間を作ろうとするところが可愛らしいです。

本間 義彦(ほんま よしひこ)

K工業で働く男。

進藤の恋敵なので、たびたび衝突します。

ただ、衝突するといっても本気で歪みあっている感じじゃないので、ほっこりした気持ちで見ていられます。

田中 鉄平(たなか てっぺい)

しのぶと仲が良い生徒。

度々一緒に謎解きをします。

原田 郁夫(はらだ いくお)

しのぶと仲が良い生徒。

度々一緒に謎解きをします。

感想

では、短編ごとに淡々と感想を述べていきます。

しのぶセンセの推理

生徒のお父さんが殺された事件を、しのぶが解決していくという話です。

しのぶの観察眼がよく出ていた話でして、なかなかの見応えがあります。

また、コンプラが欠如したような描写もあってですね、それが結構笑えます。

生意気な小学生が2人の刑事にちょっかいを出すシーンがあるんですけど、それにイライラした先輩刑事が「このガキをどついたれ」と言うんですよ。

もちろん、現実世界ではあっちゃならないですけど、創作物でこういう表現は笑えるので、本来は今の作品でもどんどんやってほしいです。

しのぶセンセと家なき子

生徒のゲームソフトを盗む少年が抱える闇に迫っていくという話です。

なかなか人情味があって良かったです。

ゲームを盗む少年の内面を心配したり、ご飯を奢ってあげたりと、心温まる描写が多かったので、この話は好きですね。

殺人事件も絡んでくるんですけど、そのあたりはしっかり東野圭吾さんらしさが出ており読み応えがありました。

しのぶセンセのお見合い

K工業という会社の社長が殺される話です。

この話では、本間というしのぶの見合い相手が現れます。

ただ、刑事の進藤はしのぶが好きなので、なんとかその見合いを邪魔しようと画策するわけです。

最後には2人が小競り合いするのですが、その様子がとても微笑ましかったです(笑)。

事件の真相が解明されるまでの過程も、しっかり読み応えがあります。

しのぶセンセのクリスマス

風呂場で殺された女の謎を解き明かす話です。

現場の状況がかなり謎に満ちていたので、おもしろかったですね。

また、この話が比較的、東野圭吾さんらしさが出ていたように感じました。

ほどよく入り組んでいますので、東野圭吾作品が好きな方はハマるかなと思います。

しのぶセンセを仰げば尊し

宮本清子という若い女性が何者かに殺される事件が描かれています。

全く別の事件が妙なところで絡み合うという、東野圭吾さんらしさが出ている作品でした。

しのぶだけではなく、生徒も体を張って事件を解決しようとするところに、心が熱くなります。

ちょっぴり切ないラストでしたけど、こういうのでいいんですよね。

まとめ

今回は、『浪花少年探偵団』のあらすじ・感想について書いてみました。

東野圭吾さんにしてはヤンチャな作品でしたので、新鮮な気持ちで読めました。

もちろん、東野圭吾さんらしいミステリー要素もありますので、ファンの方もしっかり楽しめますよ。

では、以上となります。

最後まで見て頂き、ありがとうございました。

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