こんにちは、TKです。
今回ご紹介するのは、東野圭吾さんの『探偵倶楽部』です。
当作品では、探偵倶楽部という探偵事務所のような組織が、難解な事件の真相を暴いていくという物語が描かれております。
簡単な感想を言うと、相対的に見ると微妙と言える作品でした。
東野圭吾さんはもっと素晴らしい作品を書いていますので、それと比べると『探偵倶楽部』はあまり評価できないですね。
本作品には、以下5つの短編集が掲載されております。
- 偽装の夜
- 罠の中
- 依頼人の娘
- 探偵の使い方
- 薔薇とナイフ
それそれで異なる事件が描かれていまして、探偵倶楽部がその事件の真相を暴いていきます。
伏線回収がとてもキレイで魅力的と思える話もあったのですが、全体の総評としては、そこまでオススメできる作品ではありませんね。
探偵倶楽部は謎の男女2人によって構成されているのですが、ちょっと謎すぎたような気がします。
ゆえに、2人に魅力を感じることができなくてですね、なんかそこまで没頭できませんでした。
ただ、先述したように見事な伏線回収が多々ありますので、読んで後悔するようなレベルの作品ではありません。
まあ、東野圭吾さんの作品を読破したいという方以外は読まなくていいと思います。
また、本作品はフジテレビでドラマ化されています。
今回の記事では、短編ごとの感想を述べていきますが、ネタバレになるような情報はほぼほぼ無いので、安心して読み進めてください。
『探偵倶楽部』の詳細
作品名 | 探偵倶楽部 |
---|---|
著者 | 東野圭吾 |
発売日 | 1996年6月10日 |
ページ数 | 302 |
感想
では、淡々と感想を述べていきます。
偽装の夜
「偽装の夜」では、スーパーマーケットの社長が自殺した事件を3人がかりで隠蔽するという話が描かれています。
なんで自殺を隠蔽しようとしたかというと、それぞれに思惑があったからです。
例えば協力者の1人は保険金を貰えることになっていたのですが、生命保険に入ってから1年が経過していなかったので、自殺と処理されるとマズイんですね。
保険会社によって細かい期間の差はありますが、一般的には加入から1年以内の自殺に対しては、保険金は支払われません。
こういった思惑によって自殺が隠蔽されていくのですが、あらゆるところに伏線が張り巡らされていて、個人的には一番面白かったですね。
伏線を逃さないようにちゃんと読み込んだ場合、最後の行で驚嘆の声を上げること間違いなしです。
罠の中
「罠の中」では、父親が風呂場で急に亡くなってしまった話が描かれています。
舞台は家の中なのですが、風呂に入っていた父親が急に浴槽の中で亡くなってしまったんですよ。
見た感じは溺死とかではなく、上を向いてプカプカ浮いている感じです。
その時家には家族やら親戚が複数人いて皆で真相を暴こうとするのですが、真相にたどり着けなかったので、探偵倶楽部に依頼する運びとなります。
当短編も様々な伏線が散りばめられていますので、なかなかの読み応えがありました。
ホントにさり気ない描写が伏線になっていますので、些細なことも見逃さないように読んでほしいですね。
依頼人の娘
「依頼人の娘」では、母が謎の死を遂げてしまった真相を、探偵倶楽部が暴いていく話が描かれています。
娘である美幸が家に帰ると、なぜか母がベッドで血まみれの状態で死んでいたんですよ。
警察の調査によると他殺っぽいのですが、犯人は誰なのかなかなかハッキリしません。
そして、事件以降なぜか家族の様子がおかしいので、真相を確かめるべく美幸は探偵倶楽部に調査を依頼するわけです。
これはですね、かなり微妙でした。
深い背景も巧妙な伏線も無いので、読み応えはなかったですね。
探偵の使い方
「探偵の使い方」では、ある女が夫の浮気調査を探偵倶楽部に依頼する話が描かれています。
まさに一般的な「探偵の使い方」が主軸になっているわけですが、そんなに面白くはなかったです。
オチが分かったわけじゃありませんが、オチを見てもあまりビックリしなかったですね。
一応どんでん返しの形になっていますが、東野圭吾さんは他にも凄いどんでん返しを描いているので、相対的に見ると微妙に見えてしまった感じです。
薔薇とナイフ
「薔薇とナイフ」では、娘を妊娠させた男の素性を知りたいと、ある大学教授が探偵倶楽部に依頼を出す話が描かれています。
相手の男が誰であるかある程度の候補は絞れていたのですが、1人に絞り切ることができなかったので、仕方なく探偵倶楽部に依頼する運びとなりました。
感想としては、オチがキレイだなと思いました。
ある描写が伏線になっており、それがオチでキレイに回収されていますので、なかなかの読み応えがありましたね。
まとめ
今回は、『探偵倶楽部』のあらすじ・感想について書いてみました。
作品そのものは素晴らしかったと思うのですが、東野圭吾さんはより素晴らしい作品を世に送り出していますので、相対的に見るとあまり凄みは感じなかったですね。
つまり、「ぜひ読んでください!」と言えるほどの作品ではありません。
他にもっと面白い作品がありますので、そちらを読んだ方がいいかと思います。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました。